[携帯小説 COLOR]

→【オススメ】←
人気携帯サイト

僕は、外見はエリートで中身は腐りきった低俗な連中を見ながら、いつもこう思っていた。

「将来、財力や権力を手に入れたら、弱い人々を助けるために生きていこう」

しかし、金を手にするたびに、少しずつ変わっていく自分がいた。

いや、変わらないといけなかった。

金がないと何もできないし、自分の信じていたことを実現することもできない。

そうやって悩むうちに、この国のただれきってしまっている所が見えてきた。

そのただれた中で自分の信じたことを実現するのも金。

ただれた中で汚れないと手に入らないのも金。

ほんとにわけわかんねえ。

今は金を稼ぐことしか、自分の目標を見つけられなくなった。

そんな自分に息苦しさを感じることもある。

空を見上げると、少し楽になる。

よくわからないけど、楽しくて確かな物に包まれていたあの頃に、ほんの少しだけ戻れるからだろう。

夕方の空は、なつかしい雲が浮かんでいた。空をこうやって見上げるのは、本当に久しぶりだ。空を見上げたまま商店街を歩いていたらパチンコ・ラッキーの看板が目に入ってきた。

目線をさげて、正面入り口の自動ドアを見ると、どうやら繁盛しているらしい。

点滅する店内の照明に合わせて、テクノ系のビートが店の外に漏れている。

ガンガン響く音楽をかき分けて、開いた自動ドアの中にそそくさと駆け込んだ。


[][HOME][]

キャッシング比較サイト!
→【EZ-Finance】←


(C)COLOR