いつの間にこの国は、こんなヤツばかりになったんだろう。
通り過ぎる人の肩越しに、沈んでいく夕日をながめながら、そんなことを考えた。
以前、プレスの取材で「どうして起業しようと思ったのですか?」という質問をされた事がある。
その場は坦々とメディア・アドバイザーに言われた通り、地域経済への貢献とか、当たり障りのないことを答えた。でも、本音は違う。
僕がまだ学生だった頃、日本は世界中から「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」と褒め称えられた経済大国だった。
今じゃ信じられないけど、有り余る金で、日本中の土地どころか世界中の土地や、世界的に有名な美術品まで買いあさる時代だった。
一見、幸せに見える社会だったけど、それは表だけのこと。裏であくどいやつらが、わんさかうごめいていた。
地上げが横行して、弱い立場の人たちが家を燃やされたり散々な目に会っていた。企業・銀行・政治家が結託して、弱いものいじめで荒稼ぎしていたわけだ。
そのくせ、ふだんはスーツの襟を直しながら、「世の中に貢献してます」なんてツラをしてやがる。