[携帯小説 COLOR]

→【オススメ】←
人気携帯サイト


「ハイ、少々お待ちください」電話の向こうの女の子がそう言った後、しばらく保留音が鳴った。

また少しずつ苛立ちが高まり始めた。

「お待たせしました。行政書士の田村です」

「突然の電話失礼します。メールでご依頼を頂きましたITコンサルティング代表の栗原と申します。もし宜しければ、今から御社にお伺いして、依頼に関して詳しいお話をお聞きしたいのですが」

「あれ? クリケン?」

「え?」

「その声は、もしかしてクリケン? 失礼ですけど栗原さん、中学の時、クリケンって呼ばれてませんでした?」

「そうですけど? それが何か?」

「やっぱそうか。俺だよ、俺。ター坊、ほら中学の時に転校したター坊よ! ホームページ見た時から、たぶんお前だろうと思ってたんだ。クリケン、暇だったら仕事の話しながら、飯食わない?」

田村という行政書士は、マシンガントークで僕の昔のニックネームを連呼している。

たしかに僕は中学の時、クリケンって呼ばれてたけど、田村行政書士の事は、まるで記憶にない。

「何年の時に転校したんだっけ?」

「2年の夏休み明けだよ。広島に行ったやつがいたろ? 覚えてない?」


[][HOME][]

キャッシング比較サイト!
→【EZ-Finance】←


(C)COLOR