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◆エリートアレルギー◆
エリートアレルギー、エリートアレルギー。
携帯の呼び出し音が鳴っている間、僕の中でエリートアレルギーが騒ぎ始めていた。爆発寸前の勢いだ。ああ、ムカツク。
高卒&ギャング上がりのコンプレックスなのか。
今だに、エリート・企業家・政治家と呼ばれる人種は、どうも好きになれない。
彼らと接触する時には、どうしても一線引いてしまう傾向がある。卑屈になる必要はないと思ってるんだけどね。
できれば、こんなストレスがたまる仕事はしたくない。でも、自分に限界を作ったら、全てがギャング時代に逆戻りだ。
そう言い聞かせて、電話がつながるのを待った。
「はい、いつもお世話になっております。田村正志行政書士事務所、担当の上村愛でございます」
しばらくすると、呼び出し音に変わって、少しトロメな感じの女の子が電話に出た。
トロい声を聞いて、爆発寸前だった僕のエリートアレルギーは、あっさりおさまった。
「メールでご依頼を頂きました、ITコンサルティング代表の栗原賢一です。田村先生はいらっしゃいますでしょうか。」
ニート同然の連中と一緒に仕事をしてることもあって、ふだん敬語は使わない。
我ながら、たどたどしいしゃべり方で、つい笑いそうになった。
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