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エリートアレルギー


エリートアレルギー、エリートアレルギー。

携帯の呼び出し音が鳴っている間、僕の中でエリートアレルギーが騒ぎ始めていた。爆発寸前の勢いだ。ああ、ムカツク。

高卒&ギャング上がりのコンプレックスなのか。

今だに、エリート・企業家・政治家と呼ばれる人種は、どうも好きになれない。

彼らと接触する時には、どうしても一線引いてしまう傾向がある。卑屈になる必要はないと思ってるんだけどね。

できれば、こんなストレスがたまる仕事はしたくない。でも、自分に限界を作ったら、全てがギャング時代に逆戻りだ。

そう言い聞かせて、電話がつながるのを待った。

「はい、いつもお世話になっております。田村正志行政書士事務所、担当の上村愛でございます」

しばらくすると、呼び出し音に変わって、少しトロメな感じの女の子が電話に出た。

トロい声を聞いて、爆発寸前だった僕のエリートアレルギーは、あっさりおさまった。

「メールでご依頼を頂きました、ITコンサルティング代表の栗原賢一です。田村先生はいらっしゃいますでしょうか。」

ニート同然の連中と一緒に仕事をしてることもあって、ふだん敬語は使わない。

我ながら、たどたどしいしゃべり方で、つい笑いそうになった。


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