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レース前に買った車券を彼に手渡すと、泰蔵は仕切り屋の龍二のいる方へ歩いて行った。

何気に周囲を見渡す。

康市の姿は見当たらない。

ゴールを見届けて帰ったのかな。

しばらくすると、エグ坊主の車が駐車場に入って来た。

彼の車はフロントバンパーが無く、ボンネットもかなりへ込んでいる。

金髪野郎の隣に車を停めると、青ざめた顔を隠しながら車から出てきた。

幸い、怪我はないようだ。

しばらくすると、泰蔵が大金を持って帰ってきた。

「やったね。ちょっと待てよ。今、お前の取り分を数えているから」

泰蔵が札束を嫌らしく数えていると、金髪野郎とエグ坊主が僕らの方に歩み寄ってきた。

そして、僕の前まで来ると立ち止まり、少し照れくさそうに話し出した。

「俺たちの完敗だ。この前は、ひどいこと言って済まなかったな」

「いや、別にもう気にしてないから…」

泰蔵は、僕の横で札束を1枚ずつ数えながら彼らに向かって話した。

「まあ、これで終わりにしようや。それから、坊主のお前。ウチに車持って来い。格安で元通りに直してやるから」

「ああ、済まない。頼むわ」

「イヤ、しかし今日は楽しかった。よし、じゃあ俺はギャルズチェックでもやるかな」

泰蔵は、そう言うと女の子達の方へ歩いていった。

僕は、金髪野郎とエグ坊主相手に車の話で盛り上がった

それからしばらく経つと、観衆の中の1人が叫んだ。

「警察だ。警察がくるぞ」

その声を聞くと、金髪野郎とエグ坊主は、慌てて自分の車に乗り込んだ。

そして、泰蔵が僕の方に向かって走ってくると叫んだ。


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