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よく寝たせいか、気分も良く。心地良い緊張感も保っている。
赤信号で停まると、腕時計を見た。
8時10分を回ったところだ。
この時間帯になると、田舎の方はスムーズに走れる。
それから、10分程走ると下浦ダムの駐車場の入り口付近に辿りついた。
駐車場に車を入れようとするが、人垣が邪魔で中に入れない。
どうやら、僕らのレースを見物に来ているらしい。
まるで、お祭り騒ぎだな。中には、お年寄りや子連れの夫婦までいる。
タクッ。何考えてんだろね。
人込みを押し分けるように、車をゆっくり動かすと奥の方で泰蔵と奴らがすでにスタンバイしていた。
泰蔵のランエボの横に車を停めると、彼の元へ歩み寄った。
「栗原、オセえよ〜〜」
「悪いな。あれから寝ちゃって…」
「ダロウな。そういう事だと思った」
「それより、まだ始めないのか?」
「いや。ほら、あそこのワンボックスの所で車券売ってるだろう。あれが9時になったらクローズするから、それからだ」
「まさか、車券って。僕達のレースの?」
「ああ、そうだ。みんな楽しんでるよ。それより、お前。今、手持ちいくらある?」
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