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暗闇の中で何気に汗と油の臭いが漂っている。

おまけに、暑いな。

それから、何かの音が遠くの方でしつこく鳴り響いている。

目を覚ますと、作業着の胸ポケットの辺りで携帯の呼び出し音が鳴っていた。

真っ暗な部屋の中で、バックライトの明かりに照らされた携帯電話の通話ボタンを押す。

「栗原、今どこだ?もう、奴ら来てんぞ」

「悪い、寝てた。後、20分位で行くから」

「分かった。15分で来い。いいな」

彼は、そう言うと電話を切った。

僕は、その場で作業着を脱ぎ。Tシャツとジーンズに着替えると部屋から飛び出し、自分の車に乗り込んだ。

そして、素早くエンジンを掛けると、ダムへ向けて車を走らせた。


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