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「おあ〜〜。本当に出てきやがった」
「何か、お困りですか?」
「ああ、お困りですよ。突然、法務大臣と検事総長が目の前に現れて、先の見えない取引を持ちかけてきた。この、局面をどうやって乗り切ればいいのか、教えてくれ?」
「ちょっと待って下さい。今、インターネット経由で世界中のWEBサーバーに侵入して情報を収集しています。……。ええと、彼らは、アメリカ合衆国の国防総省から長年に渡って、献金を受け取っています。二人ともキリスト教信者で、海外に献金受け取るための隠し口座を複数開設しています。」
「おい、おい。随分早いな」
「私達は、直接世界中のサーバーへアクセスできるので、高速で処理が出来ますもので…」
「え〜と。それで、どうすればいいの?」
「そうですね〜。ここは、とりあえず彼らの提案にのって、後で逃げればいいのではないでしょうか?どうせ、この事は表に出せないでしょうから」
「そうだな、分かった。じゃあ、サイナラ」
「ちょ、ちょっと。待って下さい。まだ、話が…」
ビットとのやり取りが終わり目を開けると、田嶋検事総長が僕の名前を呼んでいた。
「栗原君、栗原君…」
「あ、はい。何か?」
「いや、今さっきから、あなたに問いかけているんだが、上の空で…。いや、まるで気を失っていたようだから…」
「あ、いや。スミマセン。チョット考え事をしていたものでして…」
「で、どうかね?我々の提案にはのるかね?」
「まあ、いいでしょう。その代わり、ここから早く出して下さい。そして、身の安全も保障をして下さい」
「もちろんだ。たやすい事です。そうですね、大臣」
「ああ、それは約束出来る。だが、ここまで騒ぎが大きくなった以上、こちらとしても無罪にする事は出来ない。そこで、裁判を受けてもらうのだが。判決は、有罪で懲役1年、執行猶予3年というところでおさめたいんだが。いいかね?」
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