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僕は、走り寄って地べたに横たわったヤスオの体を少し起こし、語りかけた。
「ヤスオ、大丈夫か。オイ、オイ、何とか返事してくれよ」
だめだ、応答がない。
でも、まだ心臓は動いている。
「テメー、やりやがったな。くそジジイ。マジでやってやるからな。今から、脳みそ掻き混ぜてやるから覚悟キメトケヤ〜」
僕はそう言うと、バイオチップに手をかけた。
クローンが僕をあざ笑うように話す。
「いまさら、そんな事をしても、もう手遅れなのだよ。たとえ私の存在が消滅しても何も変わらない。お前は、もっと賢い人間だと思っていたのに。まったく、困ったものだ。我が息子なのに情けない。お前にも罰を与えよう。神に祈れ」
その瞬間、目がかすみ体の力が抜けた。
「賢一!」
遠くなる意識の中で、京介の声を聞いた。
京介が駆け寄り、僕の体を支えてくれているようだ。
近くにいるのに、彼の声が遠くの方から聞こえている。
あ〜。もう、疲れた。眠たいな。もう、どなってもいいや。
次の瞬間、うつろな意識の中で、照明の光と、慌しい人の動きを感じた。
う……、まぶしい。
誰か人が入って来たぞ。
もう、ぼんやりとしか見えない。
バイオハザードスーツらしき物を身にまとった人達が、こちらへ向かって歩いてくる。
敵か見方か?
分からない。分からない。何も分からない。
どうして、こうなったんだ。
次の瞬間、突然目の前が真っ暗になってしまった。
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