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「可能性はあるだろうね」

オジサンと死んだオヤジの確執を考えると、富国電機の外にも、なにがしかの恨みを持つ人間がいても不思議じゃない。ヤスオの話を聞いて、少し気が滅入った。

「それは、そうとヤスオ。COLORの本体が見つかった場合、メインモジュールを停止させる事って出来るの?」

「それは、現物見るまで分からないな。COLOR自体が、C言語で動いていたら何とかなるかもしれないけど、人工知能プログラムが独自に新言語を開発して動作していた時はお手上げだね。

それに、プロテクトもかかっているだろうし、おそらくパスワードは最低数億行を入力しないと解除出来ないようなになっているかもしれないよ。

ソース自体も暗号化されている可能性もある。三菱なんかが開発した暗号技術を応用したアルゴリズムを使っていたら、解読するのに数万年はかかるかも」

「ふぅ〜、ヤレヤレ。そうだよな、そんなに簡単にイクワケないよな」

「それと……」

「なんだよ。言いたい事があれば言えよ」

「たぶん……というか、絶対といっていいほど、COLORのメインモジュールの近くには、ナノロボットが防衛していると思うんだ。僕達は、政府関係者が科学犯罪鎮圧時に使用しているバイオハザードスーツも持っていないでしょう。

つまり、COLORのメインモジュールが見つけても、うかつに近寄ったら、ナノロボットが僕らの体内に侵入して、殺される可能性もあると思う」

「それだけは、勘弁だな」

僕らは、それからしばらく話を続けた。時間が来たので、と搭乗手続きを済ませると飛行機に乗り込んだ。

美森へ飛ぶ間も、話を続けたが、良い方法は一向に見つかりそうになかった。

美森空港に着くと、そこからシャトルバスで美森駅に向かった。

美森駅でバスを降り、腕時計を見ると8時50分くらいを指していた。

僕らは、誰が言うともなく、そばのベンチに腰掛けた。


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