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「そうとも言えないんですよ。実はブルー・アース・プロジェクトには、1つだけネックがあるんです。プログラムの問題よりも、現状のハードウェアでは最大のパフォーマンスを発揮出来ないんです。

つまり、人間の脳に等しい陽電子頭脳がないと、世界中の人々のニーズに素早く対応した上で、高速処理が必要なブルー・アース・プロジェクトのプログラムは実行出来ないんです。非商用のスーパーコンピューターをメインフレームに据えても、世界中のユーザーがログインする状態は厳しいですね。後でラボに行ってバード博士に相談してみます。いずれにせよ、ラボの協力がないと難しそうですから」

「ああ、そうするといいよ。多分死んだウチのオヤジよりも、彼の方が人工知能分野について詳しかったと思うから……。それにしても、陽電子頭脳ハードウェアの事は1度も耳にした事がないな。ようは、機械の脳ミソって事だろう?そんなものが、現代の科学で創り出せるのかなあ……」

僕の話が終わると京介が話し出した。

「よし、とりあえず方向性は決まったな。じゃあ、その上原って奴には、康市を接触させよう。あいつは、この手の仕事は案外得意だからな。賢一どう思う?」

「そうだな。犬井山の時も、あいつが活躍したからな。僕も京介の意見に賛成だ。リスクもあるが、このまま黙っていたら、ゆすられる一方だ。討って出よう。それじゃあ、佐藤君。康市のスケジュールを調整してしばらくフリーにしてくれないか?」

「分かりました。康市君は美森のITコンサルティングの執行役員もやっていますから完全にフリーには出来ないですが、努力してみます」

「不安材料が残る中で、行き当たりばったりな計画は望まないんだけど」

「なに、どうにかなるって。俺たちは、いつでも最高にツイてるからな」

京介が、笑ってそういった。僕も佐藤も、黙ってうなずいた。

「よし、飯食いに行こうか」

僕らはエレベーターで1階まで降りて、食事に出かけることにした。

「どうせ、ゴリも戻って来ねえから、のんびり飯にしねえ?」

「それじゃ、銀座にでも足を運んでみませんか?ご案内しますよ」

京介の話しに、佐藤が口を挟んだ。


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