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「ハハハ。まいったな、栗原さんは本当にゲームが強いな。では、これを…」
彼は、そう言うと胸ポケットから千円札を取り出し僕に手渡した。
この千円札、1枚が1千万円って事か。
「次は、栗原さんの番ですよ。表と裏、どちらになさいます?」
「じゃあ、また表で行ます」
僕は、そう言うと彼からコインと紙コップを受け取った。
表・裏・表・表・裏・裏と順序良く流れイーブンになり、次の出目によりゲームの勝敗が決まるという局面になった。
僕は、紙コップにコインを入れて逆さにすると、思いっきりテーブルに叩きつけた。
後は、ゆっくり紙コップを上に上げるだけだ。
勇気を振り絞り、紙コップを上に上げて見ると表だった。
「ヨッシャー。また勝ったぞ」
彼は何も語らず、また胸ポケットから千円札を取り出すと、僕に差し出した。
「栗原さん、ついてますね。次は、どうなさいます?」
「今度は、裏、裏でお願いします」
「裏ですね。それでは、始めますよ」
彼は、そう言うと右手で紙コップを掴んでゲームを始めた。
1回目は、表が出た。
2日目と3回目は裏が続いて出た。
4回目は、表。
5回目は、裏が出た。
多分また僕の勝ちだろう。やはり僕は神に選ばれた人間なんだろうな。悪運って言葉はある意味的を得てるし、ある意味全くお門違いだ。
しかし、次の出目で状況が反転した。
6回目に表が出てしまった。
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