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金色のディナー

商店街の飛び飛びに開いている店舗を見て歩いていると、ヤスオとはちあわせになった。

「ケンチャン」

「よう、ここで会っちゃったね。少し、早く来たんで、ここいらぶらついてたんだ」

「そうなんだ。でも、あれだね……。久々に美森に帰って来たら商店街ガラガラでびっくりしたよ」

「僕が初めて事務所出したころもシャッターが降りてる店が多かったけど、今ほどじゃなかったんだけどね。さすがに驚いたよ」

「ケンチャンが事務所出したのって、どの当たり?」

「向こうの奥の方の商店街だよ。見てきたけど、ほぼ全滅だった」

「そうなんだ……」

僕とヤスオは、とりあえず駅の方に向かって歩き出した。さすがに駅に近づくにしたがって、人が増えてくる。昔、田んぼだったところや、友人の家だったところが、ビルになってたけど、どうやら、土地が二束三文になったのを見計らって、大手企業や外資が買収してオフィスを移転してきたらしい。

そのオフィスで働く人たちも美森には住んでいないようだ。駅へ急ぐ人がやたら目立った。腕時計を見てみると、ちょうど5時を回った頃だった。

「ヤスオ、お前、腹減ってる?」

「いや、まだ、大丈夫かな」

「そっか。今から食事に行ってもなんだから、ゲーセンでも行って暇つぶそうか」

「うん、そうしよう」

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