[携帯小説 COLOR]

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「どうやら、周高潔が富国電気のグループウェアをハッキングしていた時に偶然、カラーの情報を入手したみたいなんです。そして、彼がバイトで使用していたパソコンにパープル・パーツが侵入していて、そのパソコンに自分の携帯電話を接続した時に、感染したみたいです。

たまたま携帯に入り込んだナノロボットが、パープル・パーツをばらまこうとしたら、ドコモのサーバーからブロックされて、無限ループが発生した。それで携帯の中にナノロボットが閉じこめられた。そんなとこだと思います」

「なるほど、偶然が重なったわけか……。君らがいない間にこちらでレッド・パーツを解析していたんだが、大変なことがわかったよ。ロボット三原則が誰かによって書き換えられているんだ」

「ロボット三原則って何ですか?」

僕がバード博士に問いかけた瞬間、後ろで声がした。

「ロボット3原則。1、ロボットは、人間を傷つけてはならない、また人間への危険を見過ごしてはならない。原則2、原則1に反しない限り、ロボットは人間の命令に従わなければならない。原則3、原則1と2に反しない限り、ロボットは自己を守らなければならない。SF作家のアイザック・アシモフの作品から実用化された基本原則だよ」

振り返ると、ゴリが立っていた。彼は、隣のテーブルの椅子に腰掛けるとタバコに火をつけた。

「おお、河島君も戻ってきていたのか」

「はい、営業の奴らがしくじったんで応援に行ってたんですよ。それよりバード博士、これからどうすればいいと思います?事態を収束させる方法がさっぱり見えないんですが」

「大きく分けて二つの方法がある。まず1つ目は、このまま分裂増殖を続け、悪さを繰り返すカラーパーツを1つずつ残らず全て回収する方法だ。

もう1つは、この世界のどこかにあるCOLORのメインモジュールを見つけ出して、これ以上攻撃と増殖を繰りかえさないように、ロボット3原則に基づいた形に、メインモジュールを修正することだ。メインモジュールを書き換えて、各モジュールにアップデートファイルを送信すれば、カラーパーツを搭載したナノロボットが全て停止する」

僕は、バード博士におそるおそる聞いてみた。

「あの……、メインモジュールの場所はわかりますか?」

「残念ながら、レッド・パーツの中にはメインモジュールの情報は見当たらなかった」

「そうですか……」

僕らは、それからしばらくバード博士や研究員から、解析作業が進んだレッド・パーツについて詳しく話を聞いた後、緊急対策課に戻ることにした。

ラボを出てエレベーターに全員乗り込むと、ドアが閉まった。その後、ゴリが呟いた。

「結局、振り出しに戻されたって感じだな……」

ゴリが呟いた小さな一言は、僕らの胸に大きく突き刺さった。

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