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僕らは、他愛もない会話を楽しんだ後、チェックアウトして駅に向かった。

日曜なのに、電車は意外に混んでいた。僕らと一緒に東京へ向かう人たちも、家族連れやカップルが多いのが、なんだかめげた。

会社の前まで戻っても、同じだった。家族連れがやたら多い。

最近は、丸の内にも多くのブランドショップが出店し、都内有数のショッピングスポットになっている。

バブル期は、坪あたり数億円もしてた土地らしい……。富国電気のおじさん連中が話してたけど、その頃を知ってる人なら考えられない光景だろうな。

富国電気の正面玄関をくぐり、警備のオジサンに敬礼すると地下のラボに向かった。

僕らがエレベーターに乗り込むと京介が僕に話しかけてきた。

「なあ、これで、終わるのかな……」

「わからない。でも、とりあえず休みが欲しいな。限界だよ」

僕がそう言い終わるのと同時に、エレベーターのドアが開いた。

「行こう。これで終わるかどうかはわからないけど、とりあえず結果は出る」

「そうだな」

僕らは、エレベータを降りるとラボに向かって歩いた。

ラボの前までたどり着くと、入り口のインターホンのボタンを押した。ほどなくすると、モニター越しにバード博士が現れた。

「賢一です。パープル・パーツを確保したので中に入れてもらえますか?」

「今行く。待っていたまえ」

クリーンルームの二重扉が開き、中からバード博士が飛び出してきた。

「賢一君。ほんとにパープル・パーツを確保できたのかね?」

「はい、ここにあります」

僕は、周高潔から取り上げた携帯電話をバード博士に手渡した。

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