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京介とヤスオは、盛り上がっていた。

でも、僕は料理どころじゃない。食欲なんてまるでない。世間じゃ春が来たらしいが、僕の中では氷河期がやって来た。

「賢一は、何にするんだ?」

京介の声で我にかえると、ヤスオと京介は、オーダーした後みたいだった。

「あ、君らと同じものを」

食事なんてどうでもいい。

あんなところを目の当たりにした後に、飯なんか食えるわけがない。京介の答えに生返事した。

「じゃあ、同じ物を3つで」

店員が部屋を出ると、急速に場が固まってしまった。

みんな何を話していいか分からないからだろう。

あまりに静まりかえっていたので僕が京介に料理の話を聞いた。

「料理、何頼んだんだっけ?」

「この1人5500円コースを頼んだよ。結構量があるから、多分大丈夫じゃない?」

京介はメニューを指差しながらそう言うとタバコに火をつけた。

メニューの5500円コースを見ると、前菜・ふかひれスープ・チリソース・オイスターソース炒め・鶏モモ肉の揚物・季節野菜のクリーム煮・甘酢あんかけ・杏仁豆腐と書かれており、その横に料理の写真が掲載されていた。

「ほんとだな。こんなに食えるかな?中華料理ってオーダーするのって難しいね」

「そうだな、懐石料理で5000円前後っていったら、料理が一品出てくるぐらいだもんな」

ヤスオが割って入った。

「あのさ〜。結局、今日は横浜観光をしたわけだけど、今後の予定はどうする?」

京介がしばらく腕組みをし考えた後、僕とヤスオに話しだした。

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