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ヤスオは無言のままだった。

「正直に言ってくれ。カラープログラムはお前がコントロールしてるんだろう?」

ヤスオはしばらく無言を通していたが、やがてゆっくりと話し出した。

「ゴ、ゴメン。僕は、僕は…」

「はっきり話せよ、コラ」

ヤスオのロン毛を引っ張った京介の手を引き離した。ヤスオは一呼吸置くと話を続けた。

「COLORプログラムをコントロールしてるのは僕じゃない」

「なんだと?この期に及んでとぼけてんじゃねえぞ。コラ」

「京介」

京介を押しとどめた後、ヤスオの間に割って入った。ヤスオは、話を続けた。

「ちょうど一年前くらい前だったかな。Mr.COLORっていう差出人からメールが来たんだ。初めは、スパムメールと思って無視してたんだけど、毎日のようにくるもんだからつい開いてみたんだ。そしたら、「いっしょに過去の復讐を達成しよう!」って書いてあったんだ。それから、何度かメールが来た。

何度かメールをやり取りする間に、富国電機の創業者が栗原のオヤジさんで、その後を継ごうとしている栗原を失脚させる決定的な手がCOLORプロジェクトだということも知った。COLORプロジェクトの内容も教えてもらった。

また何度かメールのやり取りをした後だった。ある日「ラボのナノロボットを解放せよ!ラボのセキュリティーは私が解除した。ナノロボットをパソコンのそばに放置すれば、お前の目標が達成できる」ってメールが来たんだよ。それでおそるおそるラボに向かったんだ。

そしたら、カードリーダーにIDカードを入れなくてもドアが開いてウエルカムメッセージが鳴ったんだ。僕は、ナノロボットが入ったケースを持ち出して、渋谷のネットカフでパソコンの上にばらまいたんだ。

あとは何も関係してない。だから、僕がカラープログラムを制御しているわけじゃないんだ。まさかあんな大事故が起きることになるとは思わなかったんだ。信じてくれよ…」

みんなが、彼の言葉に耳をすませている中、康市がヤスオに問いかけた。

「あの〜。そのMr.COLORって人から送られてきたメールアドレスって分かります?」

康市の質問にヤスオは即答した。

「Mr.COLORから送られてメールアドレスは、毎回違うんだ。きっと国内外の使われてないフリーメールを毎回乗っ取って、送信してきたんだと思う」

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