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心海に眠る友情と劣等感

緊急対策課につくと、京介はヤスオを自分の席に座らせた。

「おい、ヤスオ。俺たちのことを恨んでるって言ったよな」

「はい……」

ヤスオは完全にびびっていた。さっきの語気の荒さはまるでない。

「お前、俺が優子ちゃんのスカートめくってこいって言ったこと、いまだに恨んでるのか?それとも、コンビニにエロ本買いにいかせた事恨んでるのか?女子更衣室をビデオで盗撮させた事を恨んでるのか?どれなんだ。ハッキリしろよ」

京介、さんざんぱら酷い事してたんだな。そりゃ〜恨まれるわな。さすがに僕もそこまで酷いことはしなかったぞ。

僕らがヤスオを問い詰めていると、康市と佐藤が出社して来た。

「おはようございます」

「チッス、おはようございます」

佐藤は、京介の抜き差しならない気配に感づいたのか、小さな声で僕に話しかけてきた。

「どうしたんですか?」

「こいつが、ラボからナノロボット持ち出した犯人だ」

佐藤と康市は、驚いたのか、しばらく何も話さなくなった。

相変わらず、ヤスオは口を割らない。僕は、京介を押しのけて、ヤスオに話しかけた。

「ヤスオ、お前は俺たちの事を憎んでいるだろう。そりゃしょうがないような。あのころは、お前の気持ちをわかってやれるほど大人じゃなかった。ガキだったと思う。こんな謝罪の言葉で、お前の気が済むとは思わないが、ひどいことをしたと思っている。

でも、今から俺の言うことをよく聞いてくれ。お前が持ち出したナノロボットのおかげで多くの人が怪我をしたり、死んだんだぞ。生活の糧を失った人も大勢出た。それはどう思ってるんだ? いくらお前が俺たちのことを良く思っていなくても、全く関係のない人を犠牲にしていいっていう理由にはならないだろう?」

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