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「まさか、自衛隊と一緒にマシンガンぶっ放すとは思わなかったけどな。佐藤がいい仕事したよ。彼女に見せてやりたかったぜ」

京介は笑いながら、またタバコに火をつけた。

「でも、あれっすね。ゴリ、いやゴリさんってだらしないっすよね。自衛隊上がりとか、偉そうな事いいながら、すぐ捕まったじゃないですか」

康市が笑いながら話を挟んだ。

「俺もそう思った。でも、よくよく考えてみると、あれは作戦だったんじゃないのか?わざと捕まって敵の懐に潜り込んでレッドパーツを奪い取る作戦だったんじゃないのかな。

麻酔銃で撃たれた後も、妙に回復が早かったし。よく考えたら、マシンガンの弾ですら止める防弾チョッキを麻酔銃の弾が貫通するとは思えない。撃たれたフリをしてたんじゃないか?だとしたら、とんでもない狸だぜ」

「じゃあ、富国電機のラボからナノロボットを流出させたのは、ゴリさんが犯人なんですか?」

「最初はそう思ったが、違うと思う。ゴリさんは自衛隊上がりだからな。目的ははっきりしないけど、秘密裏に防衛省や国家機関と繋がっていて、エージェントとして活動しているんだろう」

「富国電機自体が、防衛省に製品を納入してますからね。その可能性はありますね。ひょっとすると防衛省に籍を置いた形で製品を納入する業者を内偵する部隊があるのかもしれません。僕が自衛隊の出動を要請した時、妙に反応が早かったですから。

いくら学生時代の人脈とはいえ、組織の人間になった以上、そう簡単にヘリや突入部隊を派遣したりはできないと思います。賢一さんが言うように、ゴリさんが裏側で何かを握っている可能性はありますね」

「仮にゴリさんが防衛省から潜りこんだスパイだとして、俺たちを監視しようとしてたも、それは仕方がないな。富国電機や僕たちの技術があれば、国家を転覆させることだって不可能じゃないからね」

「COLORプロジェクト自体が、自衛隊のウイルス兵器開発なんかの可能性はないんですか?それだったらつじつまが合いそうな気がします」

佐藤が口を挟んだ。

「その可能性もある。だけど、ナノロボットを流出させたのは、ゴリさんじゃないと思う。仮にゴリさんが、自衛隊に納入する製品の技術流出を監視したり、佐藤が言ったCOLORプロジェクトの名を借りたコンピューターウイルス兵器を開発していたとしても、富国電機と利害関係が発生するわけじゃないからね。むしろ、ナノロボットが流出したことで、ゴリさんの身の上がやばくなるわけだから」

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