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アホとクソラップ

三番館のドアを開けて中に入った。店の中を見渡すと、客はまばらだった。

しばらくすると、奥の方からマダムが出てきた。

「4名様でよろしいですか?」

「奥のオープンガーデンの席あいてますか?」

「あいてますよ。御案内します」

彼女はそう言うと、僕らを先導するように歩き始めた。

久々に来たせいか、壁に掛けてある絵や調度品が新鮮に見える。京介が後ろから小さな声で話しかけてきた。

「ITコンサルティングにいた時、接待で使ってたのは知ってたけど、こんなリッチな店で飯食ってたのか?さすが、下町のプリンス。いや、富国電気の御曹司様だな」

「見た目は豪華だけど、かなりリーズブナルだよ。だから接待に使ってたんだ。それに、子供の頃、うちのオヤジがよく連れてきてくれたからね」

「そうか、今度から美森に出張した時は、会社の経費で飯ごちそうになろうっと」

京介は、三番館に初めて来たんだろうか?

そういえば、ITコンサルティング時代、僕が飲みに誘っても、ついてきたことはなかったような気がする。いや、僕がガキの頃からやってる店だから、一度くらい来たことはあると思うんだけど。

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