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噴水の影から飛び出て、一気に裏口のドアノブのところまで走った。康市が僕の所までたどり着くと、康市を引き寄せる。
「覚悟はいいか?」
「はい」
ドアを開けて、中に入る。意外なくらい静かだった。屋敷の中は、一流ホテルの廊下のようだった、長くゴージャスな絨毯(じゅうたん)がひかれており、等間隔に豪華な調度品や絵画が置いてある。この中に、とんでもないトラップが隠れているかもしれない。
僕と康市は、恐る恐る絨毯に足をおくと、ゆっくりと歩き出した。
そういえば、今まで鳴り響いていた銃声がやんでいる。不気味なくらい静かだった。ゴリはどうなったんだろう。そんなことを一瞬考えたが、意識を引き締める。
しばらく進むとと廊下は二手に分かれていた。康市と僕は立ち止まった。
「康市、なんだかおかしくねえか?」
「何がっすか?」
「急に人がいなくなっただろう。おまけに何だか俺たちを誘い込むような気配がするんだ」
「そうですね。屋敷の中に侵入したことはもうとっくに伝わってるでしょう。賢一さんがさっき言ってたことが正しいとしたら、連中は俺たちを生け捕りにするつもりじゃないんすか?その後、拷問にかけられるんでしょうか?」
「ポジティブに物事を考えろよ。それより、どっちに行く?」
「僕が決めるんですか?」
「いいよ、俺が決める。右の方に行こう」
「あ……僕も直感で右だったんですけど。なんかでもヤバイ気がするな」
「ここまできたら、ヤバイもなにもないだろう。行くぞ」
おそるおそる廊下を右に曲がるとやはり誰もいない。いたって穏やかな雰囲気だ。窓ガラスから日が差込み、むしろ清清しい気分すら感じる。
「賢一さん、あれは?」
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