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「よし、ここであいつらを待っていてもらちがあかない。とりあえず、俺が先に突入する。様子を見て大丈夫だったら、お前らも後からついて来い」
「ゴリさん、無茶っすよ。この庭だって、どんなトラップが仕掛けられてるかわからないんですよ」
「仕方がないだろう。時間の猶予もない」
そう言うとゴリは飛び出して行った。一気に噴水の所までたどりつくと、素早く身を隠し、周りを見渡すと、また走り出した。俺たちも飛び出して噴水の影に隠れた。幸いなことに銃弾が飛んでくることはなかった。
先に進んだゴリは、裏庭から屋敷のドアまでたどり着いていた。ゴリがドアノブに手をかけた瞬間だった。ドアが開いて、迷彩服を着た兵士が数人飛び出てきて、ゴリを銃で撃った。
乾いた音の後に、ゴリはあっさりと地面にうずくまった。兵士たちは、おもむろにゴリを担ぐと家の中に入っていった。本当に一瞬の出来事だった。
震えが止まらなかった。隣にいる康市も同じだった。
「賢一さん、ゴリさん撃たれましたよ。もう、帰りましょう」
「どうやって帰るんだよ。落ち着け。あれは麻酔銃みたいなやつだ。血も出てないし、少し意識もあるようだ」
「そんなこと言ったって」
「いいから落ち着け。もし射殺したんなら、死体をわざわざ屋敷の中に運ぶと思うか?ここは誰からも見つからない場所なんだぞ。きっと彼らは、傭兵を全員生け捕りにしたんだ。そして、あとで拷問したりして自白させるんだろう」
「じゃあ、ゴリさんは?」
「まず間違いなく生きてる。そして麻酔が覚めたら、拷問されるはずだ。とりあえず、屋敷の入り口までは安全なはずだ。俺たちも突入するぞ。それしかどのみち生き残る道はない」
康市は、少し渋い顔をしたが、僕の後に続いて走り出した。
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