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「ほんとに、そんな事出来るんですか?」
「出来るよ。事実お前の会社がブルー・アース・プロジェクトを開発しただろう。お前のオヤジさんと俺達が開発したカラープログラムは、今のやつよりも単純なものだったがな。例えば、製造業の生産ラインで産業用ロボットが溶接すると1センチ横にずれてしまったとする。
それをベルトコンベアーで運ぶ時にセンサーがエラーを検知し溶接用産業ロボットのメインプログラムにどれだけの数値のエラーを発生させたかを報告すると自動的にプログラムを修正してくれるだけの事だった。でも、当時では画期的でな。人間よりも正確で生産コストが割安になるって世間をにぎわせたものだ」
「へぇ〜」
「でも今回暴れ出したスクリプトは俺たちが開発したものとは別格だ。おそらく若手のエンジニアで凄腕のハッカーが作ったものだろう。もしかしたら栗原、お前の周りにいる誰かかもしれないぞ」
「僕の周りですか。僕のブレーンにそういう奴はいないと思うけど」
「だったらいいが。話を元に戻すぞ。会長達の話だが、カラープログラムが外部に流出した事が公になると経営責任を取らされる危険性があるんだ。そして莫大な損害賠償責任を背負うことになる。だからお前を後継者にし、自分達が重役のうちに会社の資産をどこかに持ち出そうと計画してるに違いない。あんな腹黒い連中が、余生をのんびり釣りして過ごすわけないだろ?」
「そうですね。一旦話を整理しましょう。とりあえず僕は何から手をつけたらいいんですか?」
「とりあえず明日はカラーパーツを見つけに行くだろう。帰ってきたら会長の持ち株を上手く譲渡してもらい重役達が会社の金を他の場所に移す前に退陣させて追い出す。後は、思いっきりしめてやりたいが、それはそのとき考えよう。俺はもう寝るから、電気は点けといていいぞ」
「はい、わかりました」
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