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「ペーパーのプレゼンテーション資料、出席者のパソコンに映し出されるCD-R、プロジェクターに映し出されるDVD-Rは、このダンボールの中に全部入っています。
それと、プレゼン会場から、うちの事務所に置いてある仮想サーバーに、実際にアクセスしてデモンストレーション出来るようにしてありますよ」
康市は自慢げに長々しく話した。
「そっか、ばっちりだな。事務所の方は、ペコちゃん一人になるけど大丈夫かな?」
一人になると聞いて、ペコちゃんの表情が変わった。それを察してか康市が言葉を挟んだ。
「あ、吾郎ちゃんがもうすぐ来るみたいな事言ってたんで、大丈夫だと思う。それはそうと賢一さん、今日のプレゼン、ほんとに勝つ見込みあんの?」
「康市、てめえ誰に向かって、タメ口きいてんだ? コラ」京介は、席を立って、康市をこづいた。
「まあまあ、京介、ここは押さえて。それより今は集中しようぜ」そういったものの、僕も本当は、はらわたが煮えたぎっていた。
康市は、油断していると時々敬語からタメ口へと変化する時がある。いずれクンロクをいれてやらなければならないと思ってる。
とはいえ、武來闇(ブライアン)という、この街最強の暴走族の特攻隊長と、ミッシェルマニアという、コアパンクバンドのドラムを両立させてた筋金入りのヤツだから、とことんやりあうことになるだろうな。まあいい。ともかく今は、そんなことよりもプレゼンの方が大事だ。
「俺の方は大丈夫だ。かならず勝てる秘策があるから」僕がそう言うと、康市は自分の席に戻って、バツが悪そうな顔をした。
「それよりも、そろそろ時間だ。そろそろ行くか」
「9時15分か。そうだな、ちょい早めだが、そろそろ出かけた方がいいな」
京介がそう言うと、みんながいっせいに自分のパソコンの電源を落として立ち上がった。
「よっしゃ、じゃあ、出かける前にいつものあれやろうか」
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