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佐藤は小さな声で「ありがとう」と言うとパソコンの電源を入れ、何やらチェックしているようだ。さすがにたこ焼きの包みは開けられそうになかった。
「よし、とりあえず頭数そろったから、ミーティング始めようか。最初に言っておくが、今回の仕事は、僕達が次のステージにのし上がるための、要になる重要な仕事だ。みんなそれぞれ準備を重ねてくれたと思うけど、今日のプレゼンは全力で行くからね」
みんな、それぞれ手を止めて、僕の方を向いた。いつにない緊張した雰囲気だった。
「既にSNSで連絡を回してあるけど、もう一度確認しておこうか。今日のグローバル・エージェンシーのプレゼンテーションは、10時にグローバル・エージェンシー本社7階の小ホールで行われます。プレゼンの方法は、他社競合でのオープン形式。それでだ。プレゼンは京介にやってもらおうと思ってる。なにしろ、わが社一番の営業トークの達人だし」
「う、うん、何か緊張するけど、しゃーないか」京介はそう言うと、照れ笑いをした。
「もちろん、京介だけに進行を任せるわけにはいかない。向こうには、僕と京介と康市、そして佐藤君の4人で行こうと思う。康市は、パワーポイントとかDVD映像資料の進行を、佐藤君は、質疑応答の時に、先方から専門的な突っ込みいれられた時に対応してもらう。それでみんな問題はないね?」
みんな、無言のまま、ただ単調にうなずいた。おいおい、大丈夫かよ。
みんな、当たり前のこと言わないで下さいよ〜〜的な顔で僕を方を見つめている。佐藤は、朝飯まだだったからなんていいながら、コーヒーを飲んだ後、たこ焼きをぱくついているし、康市にいたっては、読みかけのヤンマガを開く始末だ。
「追加の連絡事項だけど、駐車場は先方の都合で、車2台に分かれて行くから」
「どうしてですか?」康市がふてくされた表情を見せた。
「今日は他の会社の人も来るから駐車場がないし、屋上で社員の家族がチャリティーバザーをやるらしいんだ。それはそうと康市よ、プレゼンテーション資料とか会場で流すDVDなんかは出来てるの?」
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