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愛と友情の讃歌

アキラと麻美のことを考えているうちに、眠ってしまったらしい。

どれだけ眠ったんだろう。ぼんやりとした頭のまま、ベットから体を起こそうとしたら、暗闇の向こうから誰かがドアを叩く音が聞こえた。

あれだけ苛立っていたのに、ホテルに泊まっていることすら忘れてしまうなんて。やっぱり、相当疲れていたみたいだ。

ドアを叩く音がうるさい。仕方なく体を起こそうとしたら、体に激痛が走った。

周高潔にボコられたのがまだ効いてるらしい。

なんとか体を起こし、入り口のドアの所まで行くと、扉の向こう側からヤスオが大きな声で叫んでいた。

「ケンチャン、ケンチャン、大丈夫?」

僕が慌ててドアを開けると、ヤスオが不安そうな顔を見せていた。

「よかった。昨日が昨日だったから、心配してたんだよ」

ヤスオは不安を打ち消すように微笑んだ。

彼は、すでにスーツに着替えていたが、僕はホテルに備え付けの浴衣をだらしなく着たままだ。

「ケンチャン、もう、朝だよ。急いで帰らないと」

「何時だっけ?」

彼は自分の腕時計を見た。

「7時24分だよ。急がないと会社に遅刻するよ」


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