階段を上ると、2階の入り口のドアまで辿り着いた。ドアの向こうに人がいる気配はない。
僕は京介に合図を送ると、ドアノブを廻した。ゆっくりとドアを明ける。暗くて何も見えない。
ZIPPOライターを点けて見ると床に無数の足跡がついていた。明らかに最近人が来た証拠だ。
よく耳をすましていると奥のほうから複数の人の声が僅かに伝わってくる。
僕が歩き出すと、京介も後に続いて歩き出した。突き当たりにあるドアを少し開けると、2階全体に1人歩ける程度の連絡通路がある。
どうやらこの倉庫は、1階が吹き抜けで、僕らがいる場所は、天井などの点検通路らしい。
しかし、鳥の糞が非常に多い。きっと巣を作った鳩の糞だろう。とりあえず今はそんなことを言ってる暇はないけど。一歩踏み出して、金網状になった通路から下を見てみる。
暗くて何もみえないが、1階にはいろんな工業機器らしきもの中に、コンテナが無造作に置かれているみたいだ。
僕らの正面奥のコンテナの裏側から明かりが差し込んでいる。明らかに誰かいる。間違いない。
京介に無言で合図を送る。京介も気づいたようだ。僕らは、手探りで1階に通じるハシゴを見つけると、スーツのポケットに無理やり靴をねじ込むとゆっくりと降りた。 |
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