無料オンライン小説 COLOR 人生は振り返るもんじゃないんだ!



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ある人は、国のために命を差し出し、またある人は心も体もボロボロにして働きながら、国家の再建を目指して頑張った。

その結果、世界中から経済大国日本と呼ばれるようになった。

僕は、愛国心なんてないけど、とりあえずこの国が大好きだ。

「どうして」と聞かれても、それはわからない。強いて言えば、それは、僕が生まれた国だし、僕が暮らしている国だからかな。

大好きな彼女から「私のどこが好き」と尋ねられても、うまく答えられないのと同じだ。ただ好きとしか言えない。

愛情を含めた感情は、心の奥底から湧き出してくるもので、それに理由付けができるとは限らない。そんなことに理由付けする人は、えてしてろくなヤツじゃない。

「ター坊、そろそろ行こうか」

そう言うと、ター坊はまだ興奮した様子でテレビを見ていた。だが、僕が椅子から立ち上がると、慌てて立ち上がった。

「悪い。先に出といて。ちょっと俺、トイレ行って来るわ。パチンコ屋来たら、トイレ使うのはデフォルトでしょ〜う!」

そう言うと、そそくさと一人でトイレのほうに行ってしまった。

ヤレヤレ。なんなんだかなあ。まあ、なんとなく分かるような気もする。

最近のパチンコ屋のトイレは、一流ホテルのトイレより綺麗だし、妙なリラックス感があるからね。

まあ、そんな場所で、金に首を絞められてるヤツがたくさん生まれてるというのも怖い話だけど。


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