無料オンライン小説 COLOR 人生は振り返るもんじゃないんだ!



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ラッシュ&アフターファイブ

コインパーキングを出た後、地下街に足を向けた。

エスカレーターに乗ると、家路に向かう人々に逆らう形になった。

なんだか僕一人だけが孤立しているような気分になる。だけど、すぐに自分を信じろと言い聞かせた。

こうやって家路を急ぐ人たちも、ほんとは一人なんだ。

ただ、こうやって同じ時間に家路に向かっているというだけで、ありもしない連帯感を勝手に感じて安心しているだけだ。

そのくせ、一人になると不安でたまらないもんだから、人のアラ捜しをして悪口を言う。自分より生活レベルが低い人を探してこきおろす。

みっともないねえ。僕はこうはなりたくない。

エスカレーターを降りた後、地下街を歩いて再び地上に出た。

家路を急ぐ人が視界から消え、静寂が戻ってきた。僕にはこの静けさが似合っている。
そんなことを考えながら、商店街へ向かって歩き始める。

ギャング上がりの悪ガキ共と会社を立ち上げた時、世間は僕達を罵倒した。

文字通り、世界中が敵だらけだった。

「インターネットやパソコンで飯が食えるのか?」なんてことはしょっちゅう言われた。

ところが、コンテンツがヒットして莫大な金が飛んでくるようになると、みんないっせいに手のひらを返した。罵倒したり、陰口を叩いていたオッサン&オバサンどもが、「アンタは偉い!」コールを始めた。

僕がまかり間違って極道にでもなってたら、指の二、三本は覚悟してもらわないといけないところだよね。まあ、そんなことはしないけどさ。暴力はギャング時代に卒業したし(笑)


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