駅に向かって走り出した車の中で、軽くため息をついた。
また、過去を振り返った自分に落胆したのだ。
出会いや別れは、二等辺三角形みたいなものだと思う。
二等辺三角形の頂点のように、出会った時は、同じ場所にいたはず。
それなのに、いつのまにか別のラインの上に乗っていて、どんどん離れていって最後は別れてしまう。
そう、例えば大好きな人がいたとして……。
どうしようもなく、大好きな人がいたとして結ばれたとしたら、それはすごく幸せなことだと思う。
でも、どんな困難を乗り越えて結ばれても、時が過ぎたり、愛情のプールが満たされると、お別れの時が来る。
必ずそんな時間がやってくる。
友情もそうだ。
社会人になって、「僕の友達がね!」という話をよく聞く。
だけど、実際のところ、学校を卒業した時点で、ほとんどの友人は敵に変わるのだ。時には、自分の人生を変えてしまうほどの強敵になることだって、珍しくない。
スクールアウトは、友情にさよならを告げる儀式でもある。
とりあえず、ター坊との再会は良いものになりそうだ。だけどなぜだろう。
なんだか、妙な胸騒ぎがしてならない。 |
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