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「んーとねえ、一応相談者が来ることになってるから、余裕を見て、6時半に駅前で待ち合わせようか?」

「僕は、このまま駅前に出て時間つぶしてるよ。じゃ、駅前のラッキーってパチンコ屋でパチスロやってるから、来てくれる?」

「久しぶりに会うのに、パチンコ屋で待ち合わせはねえだろ。俺はお前の彼女じゃないし、キャバクラ嬢でもねえんだぞ。客だぞ客。客をパチンコ屋で待たせる会社代表がどこにいるんだよ。相変わらずクリケンは変わってないね」

「ああ、ガキの頃のノリでここまで来たからね」

「俺も同じ。ま、お互い様ってことかな。やべえ、そろそろ相談者が来る。わかった。じゃ後でパチンコ屋で落ち合おう」

あわただしく電話は切れた。

電話が切れた後、空を見上げると黄昏に染まっていた。今日も早かった。あっという間に夕刻の時間だ。

辺りを見渡すと、セレブマダムたちも、いなくなっててしまっていた。

きっと今頃、海岸沿いのマンションのどこかで開かれているホームパーティで、シャンパンのグラスでも傾けているのだろう。やるせない現実だ。

店員達は、携帯電話で大声で話していた僕を見ながら、怪訝な顔をしていた。

「すいません。お会計してください」

恥ずかしくなったので、さっさと会計をすませて、車に乗り込んだ。


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