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彼をあざ笑う様に、彼女は、また話し始めた。

「もし、この依頼をお受けになられるようでしたら、今夜10時に、クラブDZに来てください」

そう言うと彼女は、足早に事務所から立ち去った。

彼女が立ち去った後、二人とも口数少なく車に乗り込み、ドミノバーガーに向かった。

食事を済ませ、席を立とうとすると、タイゾウが窓の外を見ながら話し出した。

「栗原、あの話。やらないか…」

「いや、ダメだ。どうも犯罪の臭いがする。おまけに、あの女は京介に近い人間だろう。それに、本当に金を払うか分からないぞ。」

「そうだな…。でも…」

「まあ、本音を言ったら僕も死ぬほど金が欲しい。でも、執行猶予中の身だからな。お前は、会社もあるし。オヤジさんの病気も心配だろう。刑務所に入ったら何もかも終わりだぞ」

「ああ……」

二人とも無言で店を出ると車に乗り込み関口自動車へと向かった。

会社に戻り、いつもの様に5時まで働くと、タイゾウと無言で別れ帰宅した。


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