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すぐさま車から飛び出して彼の元へ駆け寄りたいが、今はそれどころじゃない。

康市、何しにやって来た…。

隣に寄り添っているのは彼女かな?

中々、イイ女じゃないか。

遠目に見ても、クールビューティーな感じは掴み取れる。

それにしても、アイツ目つき悪くなったな。

しかし、ヤツが来たって事は、今夜のレースは大荒れになるって事だろうな。

おそらく、京介か他の誰かが1枚噛んでいるに違いない。

もう1度、周囲を見渡すが京介の姿は見当たらない。

仕切り屋の龍二が、レースをする4台の車に向かって叫んだ。

「ヨシ、お前ら。初めに走る1台目のヤツが駐車場から出て本道のスタートラインでスタンバイしろ。次に走るヤツは駐車場の入り口で待ってな」

彼の指示通り僕らは所定の位置に車を移動させた。

今夜のバトルは、泰蔵と金髪野郎が先に走り、僕とエグ坊主がバトンタッチする形式だ。

泰蔵と金髪野郎は、スタートラインについて、アクセルをガンガン吹かしている。

泰蔵達の車の前で、仕切り屋の龍二が僕とエグ坊主に向かって叫んだ。

「ヨシ、お前らは、そこでスタンバイしてろ。こいつらが戻って来てライン越えた瞬間に、俺がこの懐中電灯を横に振るから、そしたら走り出せ。分かったな。分かったら、ちょっとパッシングしてくれ」

2人ともライトをパカパカすると、彼は手に持った懐中電灯をグルグル回した。

いよいよ、レースが始まる。

心臓が爆発しそうだ。

仕切り屋の龍二が手に持った懐中電灯で、泰蔵と金髪野郎の車を照らした後叫んだ。


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