[携帯小説 COLOR]

→【オススメ】←
人気携帯サイト


「でも、お前の車は…」

「まあ、いいから。レッツラGO」

彼にいわれるがまま、車を駐車場から出すと、ダムの外周を走った。

ゆるやかなカーブとストレートを抜けると、ヘアピンカーブに差し掛かる。

その時、泰蔵が話し始めた。

「下浦ダムは、バトルをするにはたいして難しいコースじゃないんだ。でも、ここからのヘアピンで素人は抜かれるんだ。この、GT-Rもストレートは早いが、さすがにコーナーは他の車より弱い」

「じゃあ、やっぱドリフトなんかやるの?」

「いや、やらない。本当はドリフトなんて、レースに不向きなんだ。走行している間、一時的に車が滑っている状態になるからな。あれは、パフォーマンスだよ」

「そうか、じゃあ、どうすりゃいいんだ?」

「よし、ここで、ギヤーをセコまで落とせ」

「うっ。落ちない」

「オイ・オイ・オイ。ダブルクラッチって知りませんか?」

「シラネエよ」

「よし、この泰蔵様が教えてやるよ。次のカーブが来たら、ギヤーをニュートラルに入れてアクセルを踏んで一回空ブカシしてから下のギヤーに入れてみろ」

「……」

彼にいわれた通り、カーブに差し掛かった時にダブルクラッチをやると、ギヤーがセカンドまで落ちた。

「よし、車が安定しただろう。こんな感じで、出来るだけブレーキを踏まず、ギヤーのアップダウンとアクセルコントロールだけで走るんだ」

「なるほど、確かにコーナーも車が安定して走りやすいな」

ダムの外周をグルグル3〜4週し車に慣れてきたら、泰蔵が観光案内の看板がある大きな駐車場に入るように指示した。

彼は、駐車場に入ると自分の車に乗り込み、大きな声で叫んだ。


[][HOME][]

携帯検索エンジン
→【i-word.jp】←


(C)COLOR