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「オ、おう。分かった。あそこ、敦さんがやってんのか…」

泰蔵の道案内でアニーオートまで、辿り着くと車を止め、事務所へ向かう。

小さなプレハブの事務所の中を見渡したが誰もいない。

泰蔵が、タバコに火を点け、話し出した。

「最悪だな。敦さん、いないよ。」

「そうだな。しかし、中古車の値段下がってないか?」

「ああ、サブプライムとトヨタショックで在庫がダブついたんだよ。でも、軽自動車は今だに値崩れしてないな」

「結局、一番経済的だからね」

「しかし、あれだな。最近は、どこでもタバコ吸えなくなって困るね」

「ああ、僕も前はかなり吸ってたけど、本数控えたよ。今は一日2〜3本程度になっちゃた」

泰蔵とくだらない会話をしていると、ちょうど敦さんが帰ってきた。

敦さんは、車から降りると慌てて、僕らの方にやって来た。

「ゴメン、ゴメン。ちょっと、役所に書類を出しに行ってたから…。オゥ〜、栗原久しぶりだな。こっちに戻って来たんだな」

「はい。3ヶ月前に戻ってきました」

「そうか、そうか。で、今日はナニが欲しいの?」

泰蔵が割って入った。

「あのう〜。こいつになんかいいヤツないですかね〜」


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