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でも、朝日が昇っているのは何となく分かる。
車のエンジンを止め、ドアロックをすると、しばらく散歩する事にした。
本当になにもない、山の中だ。
でも、東京よりは何だか落ち着くな。
しばらく、歩くと少し小高い丘が見えた。
そこに向かって歩くと、何ともいえない絶景が広がっていた。
丘の下には、田んぼや町並みが広がっており、そこに朝日が差し込んでいる。
その光景を見た瞬間、過去の辛い記憶が消えていくような感覚にとらわれた。
これから、美森に帰って第2の人生をスタートさせよう。
車に戻り、携帯をチェックすると理香の着信履歴が何件か残っている。
おそらく、昨晩何度も電話したのだろう。
だが、彼女へ電話をする事無く、電源をオフった。
車のエンジンを掛け、またゆっくりと走り出す。
やがて、峠を下ると街の中へ差し掛かってきた。
初めて、来た場所だな。
でも、どこの町に行っても同じような建物と道ばかりだ。
町を、通り抜けると海岸線に辿り着いた。
ちょうど、海岸に面した場所に車を止められる場所があったので、車を止め海岸を散歩する事にした。
海を見渡すと、遠くの方に何隻かの漁船が見える。
砂浜には、何処かの国から辿りつた漂流物が散乱している。
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