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裁判官は、判決を言い渡した後、長々と判決の理由について説明しだした。

どうやら、初犯で犯罪の悪質性が認められないけど、一応法律に違反しているのでしょうがありませんね。今後二度とこのような犯罪を犯さないように日々努めてください。

こんな感じだった。

反省ね…。

どう、反省したらいいのかね?悪質でないと認めたんでしょう?

結局、さまざまな人達が僕を利用するために陥れたとしか思えない。

ふ〜。しょうがないか…。もう疲れたよ。

すべてが終わり法廷を後にする。

弁護士と2人でワンゴンに乗り込むと、彼が話しかけてきた。

「栗原さん、事前に打ち合わせてはいましたが……。この判決内容で宜しいですか。もし、無罪を主張したいのなら控訴出来ますよ?控訴は期限がありますから、早めに意思表示をしなければなりません」

「いや、もう裁判はコリゴリです。それに、刑務所に入らなくていいので…」

「そうですか。あなたが納得しているならこれで終わりにしましょう。後は、検察サイドが控訴してこなければ、刑が確定します」

「そうですか…」

「でも、大丈夫ですよ。この判決で、彼らの面子も立ったでしょうから」

再びマンションに戻ると、僕は車から降り、一礼した。

そうすると、弁護士も僕に一言挨拶し、車のドアを閉めると走り去っていった。

やっと、全てが終わった。司法取引をしたことを考えると、検察は控訴はしないだろう。

空を見上げた。

秋空は、いつのまにか冬の気配を匂わせている。

今年も、冬が来るんだな。

エントランスに入り、エレベーターに乗り込むと自分の部屋へと向かう。

部屋の前まで来ると、鍵を開け中に入った。

どうやら、まだ理香は帰ってきていなようだ。


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