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「ああ、僕だよ」

「良かった。もう、戻って来たんだね。ニュースで、保釈された映像が流れてたから、家に帰ってるんじゃないかと思って。迷ったけど、電話してみたんだ」

「あ、そう。そうなんだ…」

「それで、今からそっちに行ってもいいかな?」

「別にかまわないけど、何もないよ。数ヶ月家を空けてたからね」

「いいよ、別に。じゃあ、今から行くね」

彼女は、そう言うと電話を切った。

僕は、理香が来るまでダイニングのソファーに横になって待つ事にした。

10分経ち、20分経ち、待ち続けるが中々来ない。

眠気で、ウツロウツロしながら時間だけが流れていく。

眠気を覚ますため、テラスに出てタバコを吸いながら待っていると、マンションのエントランスの前に1台のタクシーが止まった。

顔は、よく分からないが、おそらく理香だろう。

マスコミ対策をよく心得てる。彼女は建物の影に隠れた。その直後に、インターフォンの呼び出し音が鳴った。

理香が、ロックを解除してくれと言ったので解除し、玄関のドアを開けてしばらく待つと、彼女が現れた。

「お久しぶり…」

「ああ、本当に久しぶりだな。まあ、中に入ってくつろいでよ」

僕が、そう言うと、彼女はダイニングのソファーに腰を下ろした」

「あのね、これスーパーでいろいろ買ってきたんだけど…」

「お〜お、悪いね」

理香の足元には、スーパーのレジ袋があった。その中には、野菜や肉などの食材が入っている。

「今から何か作ろうか?」

「いや、ご覧の通り1人で出所祝いをしていたものでして。腹は満たされております。それより、このピザでも食べたら」


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