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エレベーターホールに着き、ドアが開くと彼女は、僕の後に続いてエレベーターの中に入り、地下3階に向かうボタンを押した。
エレベーターが動き出すと同時に、彼女がA4サイズの封筒を僕に手渡した。
「会議が始まる前に、目を通しておいてください」
「はい」
そう答えたが、封筒の中身には全く興味がないので、開けようともしなかった。取締役員会って言っても、じいさん連中が書類読み上げるのを聞くだけだからな。
地下3階に着いてドアが開くと、執行役員らしき人々が続々と、会議室の方へ向かって歩いていく。
僕らも彼らに続いて歩いた。
しばらく歩くと受付が設けてあり、IDカードの認証で身元確認を受けると中へ通してもらえた。
僕が、入室すると同時に秘書課の女性は一礼して、その場を去った。
狭い会議室の中に入ると、20人前後の人達がすでに席に着いており、僕も慌てて机の上の名札で指定された席に着席した。
しばらくすると、全ての役員が揃ったらしく、司会進行役の佐々木常務が話し出した。
「それでは、取締役の25人全員が揃いましたので、臨時取締役員会を執り行ないます。まず、始めに我社の財務状況を再確認させて頂きたいと思います」
その時、会長である叔父さんが立ち上がって叫んだ。
「もう、その必要はない。佐々木君、座りたまえ」
叔父が怒鳴ると佐々木常務がしょんぼりと着席した。
続けて、叔父が話し出した。
「我々は経営権を奪われた。三友の奴らめ。裏切りおった。おい、入りたければ勝手に入ってこい」
叔父が奥のドアの方にそう叫ぶと、ドアが開き、出てきた男達の顔を見て驚いた。
どう言う事だ?
会議室に入ってきたのは、上原和樹と京介だった。京介は僕の方を見向きもせずに、肩を並べてこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。
次の瞬間、上原は想像もつかなかった事を言い始めた。
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