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ヤスオが、コンビニの袋を取り上げ、中を見ている。
「これって、お弁当とジュースだけだよ」
「とりあえず、そのまま持ってろ。京介、鞄の中身を調べろ」
「おうよ」
京介が手早く彼女の鞄を取り上げ、中身を調べ始めた。
「こっちも、ごく普通のOLが持ち歩いているような物しかないぞ。賢一、それより、この子どうするよ?」
「どうでもいいけど、おかしくないか?いきなり男3人で飛びついたのに、ノーリアクションなんて」
「確かに、そうだな。それに、こいつ無反応っていうか無表情だもんな」
ヤスオが割って入った。
「ケンちゃん、多分この子はナノロボットに脳を侵食されて、COLORプログラムにコントロールされているんじゃないかな」
「そうか、そういう事か……。じゃあ、しばらく泳がせるか。しかし、気味悪いな……。なんか南極U号みてえ」
「なんだよ、賢一、南極U号って」
「大昔のエロ本に載ってたダッ●ワイフだよ」
「ったく、いい年こいて。そんなもんばっか見てるから結婚できねえんじゃねえの」
「フフ、京介君、ナニゲに今、言っちゃいかんことを言ってくれたね」
「お、こらやんのか?」
「ケンちゃんも、キョウちゃんもやめなよ。馬鹿なことで喧嘩してる場合じゃないでしょ」
ヤスオが間に割って入った。
その瞬間、彼女は起き上がると、京介とヤスオの手から、鞄とレジ袋をひったくるようにして取り上げ、また廊下を歩き始めた。
「どうするよ」
「とりあえず、後をつけてみようぜ」
僕らは、3人で彼女の少し後を歩く事にした。
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