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「え、どこよ?」

「ほら、今さっき、みんなで食事した三番館だよ」

「でも、さっき3人で食事した時には何も無かっただろう」

「中庭のオープンガーデンの所に噴水があったじゃない」

「おう、あったな」

「あれがそうだ。下の方にライオンの形をしたゴールドエンブレムが埋め込まれているだろう?」

「そうか…。でも、ちょっとシャレた店ならそんなもんあるだろう?」

「違うんだ。この前ヤスオと店に行った時、そのライオンのゴールドエンブレム触っていたら、偶然外れてしまったんでエンブレムの裏を見たら、僕のオヤジの名前が刻まれていたんだ。それで、マダムに聞くと、昔、僕のオヤジが三番館のマダムのオヤジさんに送ったものらしいんだ」

「へぇ〜。そうなの。俺は、そこまで怪しくないと思うんだが、お前がそこまで言うのなら今から行って調べようか」

「いや、ヤスオとも話したんだけど、店が11時に閉店するから、ここを12時に出て裏口から忍び込もうと思うんだ」

「不法侵入じゃねえか。大丈夫かよ」

「ああ…」

「お前な〜。ドラマや映画の見すぎなんだよ。仮に、もし何もなくても、警察に通報されたら、俺とヤスオは刑務所に入って、前科者だ。無職になるんだぞ」

「分かってる。でも他に確実な方法がない」

「まあ、しょうがねえか。でも、何もなかったら、すぐに引き上げるからな。ヤスオは、どう思う?」

「僕は、正直こういう話は苦手なんだよね。でも、今回はケンちゃんを信じてみるよ」

「そうか…。じゃあ、俺はここでもうしばらく寝るから、お前らは風呂でも入ってくれば」

京介は、不機嫌そうにそう言うと、またグウスカいびきをかきながら眠った。

僕と、ヤスオは、再び1階のコインロッカーの所に戻ると浴衣に着替えた。そして、大浴場に向かった。


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