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「どうして?」

「よく考えてみろよ。これだけ大掛かりな計画を、一人で実行出来るわけないだろう。たぶん、犯人は最低でも数十人はいるだろう」

「組織的犯行ってこと?だとしたら余計にやっかいじゃない?それだけ頭の切れる連中なら、足取りを追えないようにすることも考えてるだろうし」

「実はある程度の目星はついているんだ。これは、誰にも言わないでくれ」

「うん」

「大きく分けて3つのケースが考えられると思う。1つ目は、俺の死んだオヤジのブレーン、富国電気の義明派の奴らだ。そして、2つ目は、単なるユスリ屋で金目当ての犯罪者集団。そして3つ目は、政治的な目的でテロを企てるような連中から、狙われているってとこだ」

「ユスリ屋とか政治的な目的でテロを企てる連中ってのはどうだろう?もしそうだとしたら、犯行声明とかが出されるんじゃない?単なるユスリ屋なら、お金とかの要求を出されても不思議じゃないと思うけど」

「僕もそれを考えたんだ。だけど、もっと状況を固めてから、犯行声明を出すことだってありえるだろう?ひょっとしたら、会社自体がそういった情報を秘匿している可能性がある」

ゴリのことをつい口走りそうになったが、思わず口をつぐんだ。

「何とも言えないけど、少なくとも社内の犯行ってのは考えたくないね。義明派って誰がいるの?」

「ゴリさんとバード博士は間違いない。残念だけど、後の人はわからない……」

「ゴリさんとバード博士は違うような気がするんだけど」

「どうして?」

「根拠があるわけじゃないんだけど、基本的にあの2人は、嘘をついたり隠し事が出来るようなタイプじゃないでしょう。だって、ゴリさんは、営業のミスでてんてこ舞いになる羽目になったって言ってたけど、僕たちに仕事を任せるつもりがないなら、そんなことを言う必要はないでしょう?」

「でもねえ……」

ゴリについて思っていた不信感を話してみようと思った時だった。ヤスオが言葉をつないだ。

「そういえば、捕獲したパープル・パーツをラボに届けた時も、ゴリさんの出張のことをバード博士が言ってたよね。営業がミスしたからって」

「たしかにそうだな……。でも口裏合わせてるってことは?」

「そこまでの事は何とも言えないけど、もし口裏合わせて芝居に乗せられてるとしたら、パープル・パーツも芝居だってことにならない?ずいぶん話が大がかりすぎると思うけど。もしそうだとしても、わざわざそんなことをする必要もないんじゃない?」

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