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心と体の痛み

走り出したタクシーの中は、とても静かで誰も話す気配がない。

そう言えば、まだ行き先を言っていなかったな。

「あの〜すみません。本町の東横インまでいってもらえますか」

「わかりました。それより、お客さん達ずいぶん時間がかかりましたね」

「ええ、まあ、色々ありまして…」

「お客さん、イヤダヨ……。何か変な事件起こしてないでしょうね?」

「いえ、会社の機密情報を悪ガキから取り戻しにいったら、少し殴られたって感じです」

「ああ、そうですか。それは、ご苦労様。いや、私はあなた達が悪い取引か何かやっているのかと思いましてね……」

「たしかに……僕ら、これでも一応富国電気の社員なんです」

「へぇ〜。そう、あの富国電気なの…。それより、後ろのお客さん顔が血だらけになってるから、そこの公園の噴水で顔を洗って来たらどうですか?あたしは黙ってますけどね、このままホテルにチェックインしたら、通報されるかもしれませんよ」

「そうですね。ちょっと止めて下さい」

タクシーが止まると、京介は後部座席から外に出ると公園の噴水の所まで行くと顔を洗い戻ってきた。

そして、タクシーがまた走り出したかと思うと途中の衣料店の前でヤスオがまたタクシーを止めた。

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