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チャイナタウンでごめんなちゃいな

中華街に辿り着くと、日も西に沈みかけていた。

手元の時計を見ると、もう5時を回っている。

相変わらず、富国電機に残った佐藤と康市から連絡はない。

こっちも全くてがかりなしの状態だ。時間つぶしの観光としゃれ込んではみたけど、そこまでみんな図太い神経は持ち合わせてない。

飲み物を飲んだり、なにか食ったりする回数が増えていた。苛立ちがそこまでピークに来ているんだろう。とはいえ、こうなった以上、なす術がない。ヤスオに言われるまま、中華街を歩いた。

とりあえず、3人でブラブラ歩いていると、他の人達が中華料理屋の店先で売っている中華マンを食べながら歩いているのに気付いた。

どうやら、ここを訪れる客達は店先の中華マンの味で、その店の味を占う傾向があるようだ。

僕らも、それとなく買っては食べ、食べては歩きを繰り返していると、思わぬ奴と再会した。

アキラと麻美が手をつないで歩いていた。思わず目をそらした。だが、アキラは僕らに気付いたらしい。こっちに向かって歩いてくると京介に話しかけて来た。

「お〜、京介じゃないの。お前ら、ここで何やってんの?」

「お久しぶり、いや、ちょっと仕事の関係でね……」

「そうなんだ。いや、俺達も中華街のグルメ関係のコンテンツ制作依頼があってね。まあ、そんな感じでリサーチしてんだ」

アキラと麻美は、僕の方を一度も見ずに京介と話している。

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