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「じゃあ、行ってくる。佐藤と康市は何かあったら、連絡してくれ」
僕らは、佐藤と康市を残して会社を出ると素早くタクシーをひろった。
「このまま、横浜へ?」
ヤスオが尋ねた。
「いや、電車で移動しよう。何があるかわからないからな。すいません。渋谷駅へお願いします」
運転手は、あからさまに「もうけそこなった」という顔をしたが、すぐにハンドルを握った。メインストリートから抜けて、思いっきりUターンすると、住宅街を抜けて、松濤の裏道に入る。タクシーは、あっという間に渋谷駅に抜けた。
NHKの前やセンター街を通ると渋滞に巻き込まれるから心配していたが、さすがはプロだ。時間帯で、どの道が混むのか知っているのだろう。
「どちらで停めます?」
あっという間に渋谷駅が見えてきた。
「東急百貨店寄りの京王バス乗り場の近くで止めてください」
ドアが開くなり、運転手にタクシーチケットをそのまま渡して降りる。
「お客さん、このチケットでしたら、おつりが出ますけど」
「急ぎますので。そのまま会社に請求してください」
本当は、1000円ほどおつりがでる。きっちりした仕事をしてくれたお礼だ。
駅に着くと、混雑を避けて二階の東横線ホームにあがる。昼間だというのに、相変わらずの混み具合だ。チケットを買い、自動改札を抜けてホームに出ると、みなとみらい線直通の東横線の特急が停まっていた。
ヤスオは、携帯サイトで列車運行状況をチェックすると、僕に話しかけた。
「電車、遅れてないみたい。次の電車に乗ったら20分弱で横浜駅に着くよ」
「携帯でチェックしなくても、行き先案内の電光掲示板に出てるよ」
「わかってる。でも、このサイトに毎月300円払ってるから、もったいないでしょう」
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