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「へぇ〜。でも、良く気がつきましたね」
「ああ、前にネットで、そんなことが読んだことがあったからな。それに、この部屋に入った瞬間、背中を向けたままとはいえ、奴の殺気が鋭くなったからな」
「そう言えばそうですね。こいつどうします?」
「とりあえず身体検査して、武器を取り上げろ。あとはベットに転がしとけ」
「チ○コまで検査するんですか?メイド服は萌えるけど、やだなあ」
「誰がそこまで見ろって言ったよ。もういい、ヘアピン以外は大丈夫だろう。行くぞ」
康市は奴をベットに寝かせた。
「行くぞ」
僕は部屋から出ると、今来た廊下を逆方向に歩いた。
どれほど歩き、どれだけ部屋のドアを開けただろう。重そうな石の扉があった。
ドアノブは、ゴールドに輝いていて、重厚感がある。
「ここが怪しいっすね」
「たしかにな。よし、行こう。もし、ここも違う部屋だったら。退却しよう。これ以上長居しても安全は保障されないからな。ゴリには申し訳ないが、もうどうしょうもない」
ドアを開けると、そこは薄暗い石室の部屋だった。中は誰もおらず、静まり返っていた。
「とりあえず中を調べてみよう」
僕が部屋に入ると康市も続いて入ってきた。僕らが部屋の中を見回していると突然入り口のドアが閉まった。
「やべえ、トラップだったか?」
暗くなった部屋の中で息を殺し、身を屈めた。次の瞬間、部屋が明るくなった。それと同時に僕らの周りを武装した兵隊達が取り囲んでいた。しまった。完全にやられた。
「人の屋敷に無断で踏み込むとは、大和男児として不作法じゃな。まあいい」
前を見ると、背の低い老人が僕らを睨んでいた。なるほど、こいつが藤田か。命を天秤にかけられているのに、僕は不思議と恐怖感を感じなかった。
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