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僕らを乗せたユニックは何の問題もなくオフィスの裏口までたどり着き、康市のオヤジさんから、積んできたジェネレーターを降ろしてもらった。
「すいません。本当に助かりました」
「いえ、用がすんだら連絡してください。引き取りにきますから。ジェネレーターですけど、うちのせがれが動かせますので、使い方は聞いてください」
丁重に礼を述べると、親父さんはそのまま車から降りもしないで帰っていった。頭を下げた後、オフィスに向かう。ドアを3・3・7拍子でノックして中からロックを開錠してもらった。
オフィスの中に入ると皆が慌しく働いていた。人をかき分けて佐藤のところまで来るとジェネレータの事を軽く説明した。
「佐藤、申し訳ない。俺と京介はもうクタクタなんだ。ジェネレーターは確保してきたから、となりのスタッフルームで朝まで仮眠とっていいか?」
「はい、大丈夫ですよ。電力の方も徐々に回復してきてますし。でも、まだ大元の原因は追求出来てないようですが……。何かあったら呼びますのでゆっくり寝てもらって結構です」
「分かった。じゃあ後は頼んだぞ」
僕と京介は、佐藤に敬礼すると隣のスタッフルームに入った。
スタッフルームに入ると、僕と京介以外は誰もいなかった。当然だけど、スイッチを押しても、明かりはつかない。オフィスの非常用電源もサーバー優先で使ってるから、仕方がない。
僕と京介は、暗い部屋のパイプ椅子に腰掛けるとタバコをふかした。暗い部屋の中で、ライターの明かりが妙に明るく見えた。
一服すると京介が僕に話しかけてきた。
「今日は何かスゴイ日だったな。全くどうしょうもないな。1日の中で天国から地獄に突き落とされちゃた気分だ」
「ああ、もう何がなんだかわかんねえな。とりあえず徐々に復旧してきてるみたいだし。今日はもう寝ようや」
「おう、そうだな。いろいろ考えてもしょうがない。明日のために体力を温存しておきましょう」
僕は、もう体力の限界まできていたのだろう。京介との会話の途中から意識がなくなって何時の間にか眠りについた。
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