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そして人生の最大のゴールは、一流大学に合格することでもなく、東証1部企業に就職する事でもなく、結婚をして幸せな家庭を築く事でもなく、どうゆう死に方をするかということだと思う。

仮に僕が今ここで死んだとしよう。

例えエリートコースを歩んで、巨万の富を手に入れたところで、アイツが死んだから世の中良くなるな、なんて言われるようなら、僕は自分の人生を否定するだろう。

あの人が死んで寂しくなったねと言われたい。

そう、あの人が死んで寂しくなったね、という言葉は、社会に貢献した人だけがもらうことのできる最大の勲章なんだ。

合法的であれば、人を騙したり、殺したりしても、お金持ちになれる。

この国の受勲者は取り分けこういう奴が多いのも悲しい事実だ。(笑)

そういう生き方はしたくない。

これだけは、はっきり言える。

僕は「あの人がいなくなってさみしい」って泣いてくれる人が大勢出来る人生を選びたいんだ。

「それにしても、驚きましたよ。富国電気の会長が賢一さんの叔父さんだったなんて」コーヒーを全員に配り終わった康市が話しかけてきた。

「別に言う必要もないと思っていたから、みんなには黙ってたんだけどね。そもそも、富国電気の創業者は僕のオヤジなんだ。オヤジはオジサンと二人で富国電気を興したんだ。でも会社がでかくなると、金を巡って骨肉の争いを始めた。

それで、オジサンと俺達家族は音信不通になってしまったんだ。でも、オジサンには子供がいない。だから東京に来て跡を継いでくれないかってずっと言われてたんだけど、今まで無視してたんだ」

「そういえば、そんなこと言ってましたね」ようやく席についた康市が、コーヒーを傾けながら言った。

「なんだ、お前、御曹司だったのかよ」京介がからかうように言った。


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