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頭の中が真っ白でなにも思いつかないけど、とりあえず自己紹介をしよう。

「弊社の早見の説明をご静聴いただき、誠にありがとうございます。ITコンサルティング代表取締役の栗原賢一でございます。

このような企画提案の場所を設けさせていただいたことについて、グローバ・ルエージェンシー様及び関係各位の皆様へ深くお礼申し上げます。

それでは、引き続き、ブルー・アース・プロジェクトの詳細について御説明させていただきます」

やべえ、何も思い浮かばない。偏差値39の僕の脳みそは、フル稼働してもこれが限界だ。イッパイ・イッパイどころかオーバーヒートして火を噴きそうだ。言葉が詰まって何も言えない。

とりあえずホワイトボードに何か書こう。書かないと前に進まない。

しかし、何を書いたらいいんだ。そう言えば、ここ十年近く落書きさえしてないな。

とりあえず何か書こう。

まる書いてチョン。あ、こんな感じだったかな?六月六日に……。

ここまで書いて気がついた。ヤバ……。

ドラえもんじゃないですか。

ええい、もうどうにでもなれ。黙っていたら、盛り上がったクライアントの期待は確実にしぼむだけだ。意を決して、僕は会場にホワイトボードを見せた。

会場のあちこちから失笑が聞こえてきた。でも、これくらいの事では負けられない。

「みなさんは、ドラえもんというアニメのキャラクターを御存知ですか? そう、22世紀から来たネコ型ロボットです。

ドラえもんは、アニメの主人公、のび太のために、4次元ポケットから、さまざまなアイテムを出して彼の人生を手助けしてくれます。それだけではありません。時には、のび太に一喝することも御座います。そして、主人公のび太の人生を、よりよきものにすべく、全力でサポートしていきます。

話が抽象的になりますが、ブルー・アース・プロジェクトとは、一言で言うと、ユーザー様に対してのドラえもんなのです。

たとえば、ユーザー様がアカウントを取得すると、進学のための進路や就職活動、結婚などの的確なアドバイスをしてくれます。

もちろん、このような複雑なことは、現在のウェブ2.0では実現が不可能です。弊社のシステムは、次世代型ウェブ3.0を視野に入れたヒューマン・インターフェースを装備したモジュールを随所に配置した形で、構築されています。


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