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「ところで、康市よぉ、ほんとに今日大丈夫なんだよな? いまさら資料の不備があったとか言われても困るからな」
「大丈夫っすよ。今日のプレゼンは、ほとんどの内容をナレーションつきのDVD映像にまとめてありますから。DVDの再生に合わせて、京介さんが要所要所のポイントを押さえていってもらえればいいようにしてあります。最悪、京介さんがとちっても、最後までプレゼンが出来るようになってますから、心配ないっすよ」
「へぇー、そりゃ凄いな。勝負はもらったようなもんだな」窓の外に映る景色を眺めながらター坊がそう言った。
「まあ、勝負は時の運だから、どうなるか誰も分からないけどね。それより他の会社の事って分かるかな」
「そうね、何社か来るみたいだけど、クリケンのとこみたいに大きな法人は数えるくらいしかないよ。SOHOに等しいようなとこがほとんど。それなりの資本金を持った法人でも社員2〜5人の所ばっかだから、問題ないと思うけど。そうそう、唯一の強敵といえば、スカイネットかな。昨日になって知ったんだけど、締め切りぎりぎりなって、スカイネットの西崎晃が申し込みしてきたらしい」
「アキラ、あの晃が?」
「何か問題あるの?」
「いや、あいつはギャング時代から因縁があってね。できれば縁を切りたい」
「どうして?」
「ややこしい話なんだ」
「そっか。まあ、いいじゃないか。そいつと今日けりつける気持ちで、やればいいじゃない」そういうと、ター坊は、僕の肩を二、三回ポンポンと叩いた。
そうこうしているうちに、いつのまにかグローバル・エージェンシーの正面ゲートが近づいてきた。
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